親権取得が困難な事案で、親権を取得した事例。
ご相談に至った経緯
妻が突然お子様を連れて家を出てしまい、離婚を突き付けられたご依頼者様は、どうしたら良いのか途方に暮れていました。
ご相談内容
突然の離婚要求に困惑されていたご依頼者様は、何よりもお子様への深い愛情から、できる限り夫婦関係を修復したいとの希望をお持ちでした。しかし、万が一関係が修復できない場合には、親権をどうしても取得したいとの強い意思をお持ちであり、数多くの法律事務所を回られる中で「男性側の親権取得は難しい」と断られ続けたとのことでした。それでも諦めないという思いでDUONにご相談いただきました。
DUONの対応とその結果
DUONでは、ご依頼者様の「可能性がわずかでも挑戦したい」という意思を尊重し、親権取得に向けた具体的な方策をご提案しました。男性が幼いお子様の親権を取得するためには、親権者に相応しい生活実績を作ることが重要であるため、まずお子様と共に暮らす環境を整える必要があると判断しました。このため、母親側で生活しているお子様と一緒に暮らす許可を裁判所に申立てました。
しかし、道のりは平坦ではありませんでした。一審では、「母親が親権を持つべき」という一般的な裁判所の姿勢により敗訴という厳しい現実に直面しました。即座に控訴を決意し、母親の養育環境に問題があるという確固たる証拠を揃え、戦略を練り直しました。そして第二審でついに、「離婚までご依頼者様がお子様を養育するべき」との画期的な決定を勝ち取ることに成功しました。この瞬間、ご依頼者様にとって一筋の光が差し込む希望の決定となりました。
しかし、ここで事態はさらに複雑さを増します。母親が突如引っ越し、行方をくらましてしまったのです。手掛かりを求め、多方面で徹底的な調査を行いましたが、糸口は見つかりません。途方に暮れる中で一筋の望みとして、お子様の小学校進学時に必要な届出を利用し、ついに母親の所在地を特定することに成功しました。しかしその場所は、ご依頼者様の居住地から100キロ以上も離れた土地。しかも、「お子様の引き渡し命令」を執行するにあたって、さらなる法的なハードルが待ち受けていました。
母親が絶対にお子様と離れないという生活スタイルを取っている中、「執行不能」に陥る可能性が高いことが懸念されました。そこで、DUONのチームは戦略を練り直し、唯一のチャンスとして「学校での執行」を決定。この大胆な方策を実行するため、行政や学校側と粘り強い交渉を重ねました。当初は断固として拒否されたものの、交渉に交渉を重ね、短時間内での執行を条件に最終的に許可を得ることに成功しました。
そして迎えた執行当日。緊迫した状況の中、執行官立ち会いの下、学校内でご依頼者様がお子様と直接話をしました。限られた時間の中で、真心を込めた説得により、お子様はご依頼者様の元に戻る決断をしました。この瞬間、ご依頼者様はお子様と共に新たな生活を始めることができたのです。
その後の離婚訴訟では、「お子様と一緒に生活している」という実績をもとに、ご依頼者様は親権を正式に取得しました。数多くの困難を乗り越えたその瞬間は、ご依頼者様とDUONチームの努力が結実した感動の場面となりました。
解決のポイント
男性側で親権を取得するという法的に非常に困難な問題をすべて乗り越えることができたのは、ご依頼者様のお子様に対する深い愛情があったからです。その強い愛情が弁護士の活動を後押しし、最善の結果へと導きました。