養育費を払いたくない?
養育費は誰の権利か?
今日は養育費について、お話ししたいと思います。
養育費とは何か。子供の養育にかかる費用を相手に請求する権利です。
これは、ほとんどの方が理解されていると思います。
では、誰がもっている権利か、ということについては、意外と理解されていない方が多いと思います。
誰が持っている権利かというと、子どもです。
離婚の話し合いの中で、親同士で話し合って決めることが多いので、親権を持つ親からもう一方の親に対する権利だと誤解されることがありますが、子どもの権利です。
多くの場合は子供は未成年であることや、実際に子供の生活費等を支払いする主体は、子供の面倒を見ている親であることから、面倒をみている親が子の代わりに請求しているにすぎません。
これは是非とも理解しておいて欲しいところです。
養育費を払いたくない?
養育費の支払いに抵抗する人は、多いです。争いになっている相手方にお金を月々支払うのは、しゃくに障るという意見も、感覚としてはわかります。
しかし、養育費は子供の権利であり、子供のために支払うお金ですから、理屈の上では、その考え方はおかしいです。
養育費が支払われないことによって、誰が被害に遭うかというと、子供です。
両親の離婚について、子供は非がないです。子供のことを思って、養育費は支払わなければなりません。
養育費をもらえなければ、面接交渉させなくて良いか?
上記のことと関係して、よくある誤解は、面接交渉が養育費を支払っていることの対価であると考えることです。
面接交渉権は、親権を持っていない親が子に会う権利であるととらえられがちですが、実はいうと、そうではないです。なぜ面接交渉権があるかというと、親と会うことが子の成長にとって有益であるからです。
結局、面接交渉権も子供の権利の側面があります。
だから、養育費を払ってないから会わせないとは、本来はいえない代物です。
「養育費も支払わない親は、親として失格だ、そんな親と会わせることは子どもに有害だ」、って考える気持ちはわかります。
しかし、原則として、養育費の支払いが滞っていても、面接交渉はさせるべきでしょう。子供の気持ちになって考えてみてください。
「自分の親は、養養育費を払ってくれない。自分と会ってもくれない。」そんな風に、感じた子供はどう思うでしょう。自分は捨てられた、自分は愛されていないと思うでしょう。
そんな経験が子供の成長にいい影響を与えるとは思えません。
ここで伝えたいことは、養育費を支払うことは親の子に対する務めであることと、面接交渉は子供の権利でもあるということです。